著者本人が在日朝鮮人なので気をつけて読むこと

拉致 (ちくま新書(540))

拉致 (ちくま新書(540))

さっき図書館で借りて来て読み始めたばかり.何しろ のっけからこういう調子:

その日を境にして、日本社会の北朝鮮非難の世論は全土をおおい、北朝鮮に少しでも好意的な発言をする人々に対しては「国賊」扱いにするという様相を呈していった。私の知人の中でも、北朝鮮研究に造詣が深く、日本と北朝鮮の国交正常化は北東アジアの平和と安定に欠かせないと主張していた大学教授は、まるで北朝鮮の手先との扱いを受ける始末である。

北朝鮮の日本人拉致という国家犯罪の発覚のため、日本の人々が怒りに目がくらみ、戦前の日本の中国人、朝鮮人にたいする国家犯罪については歴史的認識を欠落させたまま、北朝鮮非難の合唱に加わり、感情に任せて北朝鮮糾弾の声を揚げているようであった。

その反北朝鮮感情の爆発は、同胞が理不尽な仕打ちを受けたことに対する自然な国民的感情の反映であろう。その感情は理解できなくもないが、冷静に物事を判断し、報道しなくてはならないマスコミも、民衆のそのような感情に追随し、無批判に根拠もなく北朝鮮非難の大合唱に加わっている。

そのような大合唱を聞きながら、私は何かが欠落している、正気の沙汰ではないという思いを抱いた。それは、「拉致」がなされた北朝鮮の国家犯罪の背景に対する正確な認識の不足であり、日本人拉致が国家の誤った政策から生じた、個人に対する国家犯罪だという視点の欠如である。それゆえであろう、小泉訪朝後の日本の世論──北朝鮮バッシングは未来への展望がなく、暴力的な風景に見える。(pp.11--12)

あほくさ ヽ( ´ー`)ノ

上で言う「大学教授」って和田春樹かしら.あるいは浅野健一あたりかな.この著者,京都生まれだそうだし.

「裏」ではあまりお堅い話を書きたくないから そのうち「日曜版」の方でネタにさせてもらうニダ