Cerego Japan の偉い人に直訴してみた

フィードバックの件、埒があかないので Cerego Japan の偉い人に直訴してしまうことにした。
以下は 2008-03-21 付で送ったメッセージの内容。iKnow! のほうの journal にも転載してある。

フィードバックの運営改善の為の公開提言


セレゴ・ジャパン株式会社
シニア・バイス・プレジデント
事業開発本部長
マイケル長谷川 様


この度は突然お便り申し上げ、不躾の段、平に御容赦下されたく存じます。
ここ数ヶ月来、 iKnow! のフィードバック
http://www.iknow.co.jp/feedback/
が抱える数多くの運営上の問題点について度重なる苦言を呈させて頂いておりますが、フィードバック自体の問題をフィードバック内部で解決できる目途が一向に立たないと判断し、やむなくこうして最も責任ある立場の方に直接お便り申し上げるに及んだ次第です。


さて、貴社のサービス運営に対する取り組み方については、
http://www.iknow.co.jp/feedback/144/topic/133673
にこう謳われています:

---Quote---

新しい機能をサイト上でどんどんリリースしていくことは、ユーザーのみなさんからの正直なご感想、フィードバックをいただけるチャンスでもあると考えています。
その機能が「よいか悪いか、必要か」だけではなく、「どのように活用したいか」「こんな使い方をしたい」などといった新しいアイデアをいただけるすばらしい機会です。
なぜなら私たちは、iKnow! というサイトを、実際に使っていただいているユーザーのみなさんに中心となっていただき、作り上げてもらいたいからです。


それを実現するためには、機能を早い段階でサイト上に実装していくことが重要となります。
これは“Release early, release often.” というWeb2.0の考え方でもあります。
それに対して「100%完成したものを遅いスピードでリリースする」という古いモデルは、ユーザーのみなさん主体で作り上げていくサイトには、既に古く、フィットしない手法だと考えます。

---Unquote---


こうした運営形態が成り立つには、何よりも先ず

そのサービスを実際に使ってみたユーザの声に敏感かつ迅速に対応できること

が必要条件です。


勿論これは「ユーザから挙がった要望を一つ残らずそのまま取り入れる」ことを意味しません。
個々の要望がユーザ全体にとってどの程度切実な、急を要する問題であるかは、多くのユーザの指摘・要望を集積し分析する作業を通じて的確に判断されるべきでしょう。
まさにその役割を担う為にフィードバックBBSは本来設けられている筈です。


ところが残念なことに、フィードバック運営の現状は、そうした任務を果たし得る水準に達しているとは到底言えません。
具体的には以下の3つの問題を抱えています:

  1. スタッフの役割分担・責任の所在が不透明
  2. 報告への対応が遅い
  3. フィードバック自体のアクセシビリティが低い

まず (1) の典型的な例を挙げましょう。以下の報告をご覧下さい:
※ ディクテーションスキルレベルの更新が停まっていないか
http://www.iknow.co.jp/feedback/147/topic/301100

ここで報告されている不具合は「各ユーザの学習結果がデータベース上にどのように保管され表示されているか」という極めて技術的な問題に関するものであるにも拘わらず、なぜ技術担当ではなくコンテンツ開発担当のスタッフが一貫して応対しようとなさるのか。
おかげで上の報告中の遣り取りは本題に入るまでに膨大な時間を空費しただけで納得の行く説明が何一つ得られていないばかりか、その次のメンテナンス終了から丸3日経った今もお約束頂いた筈のアナウンスが無いまま音信不通になっています。


次に (2) 「報告への対応が遅い」について。以下の質問をご覧下さい:
※ ディクテーションの「復習モード」は学習成績に反映されるか
http://www.iknow.co.jp/feedback/146/topic/14090

ユーザにとっては切実な問題ですがスタッフにとっては回答は容易な筈です。たったこれだけの yes/no question に「暫く待ってくれ」の一言も無いまま丸一ヶ月間もだんまりを決め込む理由を量りかねます。


最後に (3) 「フィードバック自体のアクセシビリティが低い」について。以下の質問をご覧下さい:
※ 不具合報告が削除されている件について
http://www.iknow.co.jp/feedback/144/topic/323313

「一時的な」不具合は修正され次第報告を web 上から抹消する、しかもフィードバックの内容が検索できないようわざわざ手を施してある、…などという杜撰もしくは悪質な運営を、私は他社のサービスでついぞ見たことがありません。


以上3点とも、上に挙げたのはほんの一例に過ぎません。御自分でフィードバックに一度目を通してご覧になれば、数え切れないほどの類例を見つけることが出来るでしょう。
冒頭に引用させて頂いた貴社のポリシーに鑑みて、こうした現状を望ましいとはお考えにならない筈です。


以上の事柄を踏まえ、以下の5箇条を提言します:

  1. 各部門のスタッフに、少なくとも公式見解としてアナウンスを発し得る程度の権限と責任を委譲すること。
    特に技術スタッフに対しては、メンテナンスの告知すら非公式にしか出せない現状を直ちに改めること。
  2. 対応の内容がどうであれ、全ての不具合報告に対して24時間以内に、その他の質問や要望については1週間以内に必ず最初の回答をすること。
    その際、個々の案件についてどのスタッフ個人が責任を持って対応するのかを最初の回答の段階で明らかにすること。
    "Cerego" などのアカウントによる事実上の匿名回答を今後一切しないこと。
  3. 不具合報告については、
    • 問題の存在をスタッフが確認(テストの結果問題が再現されなかった場合も含め)した時点
    • 修正作業に着手した時点
    • 修正が完了した時点
    でそれぞれアナウンスすること。
    その際、どれくらいのプライオリティで修正作業を行うかについて明らかにすること。
  4. フィードバックに対するクローラよけを外し、フィードバック内の全てのトピックを外部の検索エンジンから見えるようにすること。
  5. 解決済みの不具合に関する報告を削除するようなことをせず、全てをのちのちの為の資料として残すこと。


以上5点、何卒御検討の上、長谷川様ご自身のご見解をお聞かせ下さいますようお願い申し上げます。

その翌日に 別の偉い人がくれた回答:

Suikadorobo様

株式会社セレゴ・ジャパンのCOOであるBrian Tsaiと申します。
お返事をお待たせいたしました。
いつもiKnow! をご利用いただき、まことにありがとうございます。
これまでにいただいた貴重なご意見、ご提案につき、深く感謝いたします。

iKnow! のサイト運営においては、ユーザーの皆様からのフィードバックの検討を非常に優先度の高いタスクの一つとして取り組んでいますが、Suikadorobo様より今回のご意見、ご提案をいただくに至ったことを、あわせて深くお詫び申し上げます。

さて、ご提案の5点について、以下にお返事をさせていただきます。

1.メンテナンスの告知
既に各リリース毎に次のような情報を提供しております。これ以上の細かいリリースノートの提供も検討しております。非公式告知は内容によっては、中止させる予定でおります。
http://www.iknow.co.jp/blog/category/updates

2、3.不具合報告
不具合の対応の順番、そのタイミングにつきましては、開発全体の状況を把握した上で、弊社にて決めさせていただきます。必要に応じてアナウンスすることもございます。また、不具合対応の際に、スタッフ個人まで責任を特定して回答することは、残念ながらできかねます。

4、5.フィードバックの流れ
フィードバックとその対応フローについては、運営チーム内においてもSuikadorobo様のご意見と同じく改善が必要であるという認識のもと、現在見直しを図っているところです。
その結果についてはこのパーソナル・メッセージへの回答ではなく、全iKnow! ご利用ユーザー様に対して何らかの形でアナウンスされるべき内容だと判断させていただきました。
大変申し訳ございませんが、今しばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。

今後ともiKnow! をどうぞよろしくお願いいたします。


株式会社セレゴ・ジャパン
Brian Tsai